請負との違い(偽装請負)
  法律で禁止されていることの一つです。「請負」とは、会社や個人が「いつまでに、どの仕事を完遂させる」ことを指します。

  二重派遣 で例にしたIT現場では、「3ヶ月で運用システムを作り上げ、報酬は1,000万円である」ことを契約し、倉庫現場では「毎日17時までに商品を全て梱包して発送し、報酬は商品1点あたり50円である」ことを契約したりします。

  これが派遣であれば共通して、「平日の8時から17時まで、時給1,000円で、指示された仕事を実行する」ことを契約します。

  職種によっては免許が必要ですが、請負は個人でも契約でき、世間でいう「フリーランス」で仕事をしている人々のことを指します。同じところで同じ仕事をしても派遣と請負には違いがあり、報酬の受け取り方のほか、"労働環境を法律で保護されているかどうか"が重要な違いになります。

  派遣であれば一般的な9時間働いたら60分の休憩を必ず入れねばならず、17時をまわったら残業代を出さねばなりません。また、法律で決められた休日も取らせなければならなかったり、、、労働者を守る法律は細かく見ていくと結構複雑なのです。

  ところが業務請負での契約はこのような法律には守られません。個人が請負う場合は「指定期限までに完遂させる」ため、時間も曜日も関係ありません。企業が請負う場合も同様ですが、その仕事を完遂させるためには人手が必要になります。請負ったその仕事を完遂させるために人を使用する際には、労働者を守る法律が適用されるわけです。

  請負った業務を完遂させるために、請負代金から自社社員やアルバイト、派遣社員に給料を払って仕事を進めていくわけですが、期限までに仕事が終わらない場合もありますし、労働者の作業効率が悪くて業務が全く進まなくても、働いた時間分は給料を払わなければなりません。それでは必要経費がどんどんかさみ、利益が残らなくなってしまいます。

  そこで考えたのが、バイトや派遣と同じような働かせかたをしながら、「わずらわしい経費(時間外労働や各種保険負担)などを支払わないで、労働者を守る法律に従う必要もない「請負」で人を使ってしまえばいいんだ!」という手法です。

  請負契約ではないのに、請負のように見せる。つまり「偽装請負」という問題に発展してきたわけです。

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