求人広告の裏話
  あまり世間には知られていない求人広告の 種類 価格 のほか、さらに深い裏話も少々。

■広告会社の営業
  求人広告は、当然ながらそれを事業として運営している企業があります。主流になっているWEB求人サイトの一番下を見ると記載されていますが、それらの企業も営業活動をおこなって世間の求人を自社に集めて売上を拡大しようとするのです。
  この業界は保険会社と同様に販売代理店の制度があります。広告会社から拡販を依頼されている企業(制作会社)が星の数ほど存在し、広告をひとつ掲載するごとに一定の手数料が支払われる仕組みです。
  それら制作会社はただ「ドコドコの広告に載せてくださいな!」というだけではありません。求人を出したい企業(派遣会社)の代わりに魅力的な原稿を作ったり、世間の動向を教えてくれたりします。(必ずしも"魅力的"だとは思いませんが)

■求人の制限
  派遣会社も制作会社と色々打ち合わせをして求人広告を作成していくのですが、求人広告にも「記載してはいけない表現」が多数あります。代表的なところでいくと、年齢・性別・国籍の制限などがあたります。
  「35歳までの女性で、日本国籍の方のみ」なんて書いたら完全にアウトなのですが、実はこのような指定付きで求めてくる企業がほどんどなのです。でも求人広告には出せません。
  雇用や職業に関する法律で定められているので仕方ないのですが、これは相当なストレスが生じます。派遣会社側にとってだけではなく、応募してくる方にとっても。仕事先から指定された、例えば性別に合わない方が応募してきてもそれを理由に断れませんが、実際登録に来てもらってもその仕事は紹介できません。応募者の交通費も時間も無駄になってしまいます。
  「ダメならダメって言って欲しかったんだけど!」という人がたまにいますが、言ったらダメなんですよね…。
  なるべく来ていただく前にやんわりと遠まわしにお断りするようにしていますが、特に「年齢」においてはこの問題は非常に大きいものです…。派遣で生計を立てている人は、若いうちにぜひ卒業してください。

■求人広告のウソ
  一見何の指定もない求人広告でも、このように裏側は指定だらけです。「年齢不問」でも年齢制限があったりしますし、「未経験者歓迎」でも経験者でなければならなかったり…。詳しくは 用語 にまとめてありますが、必ずしも全てがウソという分けではないのが難しいところです。

  求人情報を載せる側が選ぶ目安のひとつに、仕事を探している人がどのくらいその広告を見に集まってきているかというのがあります。数多くの人が集まる広告はアピールに繋がるので、各社ともテレビCMを出して認知度を高めようとします。

  テレビCMにかかる莫大な経費は広告会社の売上から捻出されます。ということは、求人広告の価格はそれを踏まえた設定になっている(から高い)わけです。それを経費として使っている派遣会社もやはり売上から捻出しているわけで、ひいては派遣スタッフの給料に影響してくるのですね…。(よくCMで見る車や化粧品の単価も同じことですよ)

  仕事を探す側にしてみれば確かに無料で仕事を探せる便利なツールなのですが、広い意味で考えると必ずしも"無料"ではないのかもしれませんね。

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