一番困り、かつ最も頻繁に起ってしまうことです。あらかじめ連絡があればまだ良いのです。人間なので寝坊することも体調が悪くなることもあります。（あまり頻繁だと良くはありませんが）
  「連絡が無い」ことが一番困ります。ミケ氏から「ウサ子さんが今日来てないんだけどどうなってるの？？」という連絡が入ったら厄介です。ウサ子さんに電話しても、こういう場合は大抵出ません。寝てるのか、事故にあったのか、はたまた仕事が嫌になったのか。理由が分からないので、当然ミケ氏に理由を報告することもできません。ミケ氏からは「予定してた仕事が止まっちゃって困るんだよね！」とクレームに。

  ウサ子さんが事務職ではなくてイベントコンパニオンなどの単発派遣スタッフだったりする場合に困ることです。当日朝の集合地点に現れないウサ子さん。連絡して寝坊や電車遅延だったらまだ良いのですけども、この場合も大抵電話に出てくれません。ミケ氏からは「電話繋がるまでかけろよ！」と言われます。「今日穴空けちゃってどうすんのよ！」とも言われます。これ関係の会社の人たちは結構怖いんですよ。
  なんとか代理で対応できるスタッフを緊急手配掛けるわけですが、事前研修などを経ている場合は代理でも役不足。場合によっては女性営業や内勤事務を代役として立ててなんとか人数を揃えて平謝りするのです。

  無断欠勤なんてしないマジメなウサ子さんでも、体調不良に陥ることはあります。明日は朝から展示会のブースに立つウサ子さん、夜の11時にポン太の携帯が鳴りました。「すみません…。39度の熱が下がりません…(涙)」。ポン太が昔いた悪名高い派遣会社では「とりあえず明日は行って！」と言われましたが、そんなオニのようなことはできません。
  「大丈夫だよ、明日は代わり探すからゆっくり休んでね」とウサ子さんに伝えます。イベントコンパニオンは機嫌を損ねるとすぐに辞めてしまいますし。そこからが大変です。とりあえず遅番の内勤者に連絡して代わりを探してもらいつつ、仲の良いスタッフに手当たり次第連絡します。ミケ氏にも報告しなければなりません。どっちを先にするかはいつも悩むところですが、深夜でも全く休めません。

  事務職のウサ子さんがまだ仕事を始める前の話。ミケ氏からは「7月1日から出社してもらいましょうかね。8時50分までに来てください。」と言われています。間に合うように駅の出口辺りで合流し、ネコ会社まで一緒に行く予定です。が、集合時間になっても表れない。例によって電話にも出ない。そう、ドタキャン。
  仕方がないので□は一人でネコ会社まで行って、ミケ氏に平謝り…。半分あきれ顔のミケ氏は、「しっかりしたスタッフを紹介してよね…」という言葉を残して、他の派遣会社に連絡したりするのです。

  新しく取り引きを始めるネコ会社とイヌ派遣会社。どういう人物を探しているのかを確認するところです。仕事内容や勤務時間その他を色々確認し、最適なスタッフであるウサ子さんを紹介したわけです。
  ウサ子さんが仕事を始めて数日、仕事終りに連絡がありました。「聞いてた話と全然違うんですけど…！」。ポン太は何が違うのか確認し、ミケ氏に伝えました。するとミケ氏、「いやね、世の中契約ごとと現実って違うでしょ？契約書ってのはさ、ありきたりの言葉を並べるものじゃない？」。
  派遣の世界はそれではいけません。「残業は無いよ」と言われたのに実際は毎日残業だったり、「データ入力だけだよ」と言われたのにテレアポをさせられたり。また逆に、派遣会社が確認不足のまま紹介してこういうトラブルに繋がるケースもありますよ。

  オフィスワーク系は平日のみですが、接客・販売・サービス系は土日祝がメインになり、倉庫や工場などの軽作業系は２４時間毎日稼動している現場もあります。基本的にはそれぞれの業種に応じた担当者を用意し、派遣会社も担当する形態に応じて勤務シフトを張っているわけです。
  それでも忙しい時期（セール時期や決算前など）は仕事が増えますので、しばらく全員総出になったりします。昼間は登録説明会や人員手配をし、帰ろうと思ったら遅番勤務の販売スタッフから愚痴の電話が入って１時間つかまり、早朝には夜勤明けの工場スタッフから「明日休みたい」と連絡が入ります。週末なので休もうにも、セール時期は週末が命！スタッフを連れて行ったり販売現場を巡回したり。運良く休めても、お店のマネージャーからクレームの電話が入って「すぐ来て！」と言われることもしばしば。時間とか曜日とかの感覚は一切なくなります。（派遣業界は離婚する人多いらしいですよ）
  そんな時期にウサ子さんから「わたし遅番なんですから終わってからしか電話できないんですよ！ちゃんと出てください！」と言われるとさすがに堪えます。こっちが休みのときに電話したら文句言うの誰だね…。